株式投資における節税方法の一つ「損出し」をご存知でしょうか?
株の売却で得た利益・配当金にかかっている約20%の税金、もしかしたらその税金が戻ってくるかもしれません。
今回はその節税方法「損出し」の仕組みや条件、やり方を分かりやすく解説します。
年末近くなるとツイッターで「損出し」という言葉をよく見かけますね!
- 損出しの仕組みを徹底解説。どのような方が損出しをした方がいいの?
- 損出しをして、払いすぎた税金と取り戻そう!!
- 他にもある様々な節税方法
この記事を書いた人
Twitter (@cardiacscardiac)
上場株式における税金について
株式投資を行った時に生じる利益(譲渡益・配当金)には20.315%の税金がかかっています。
「特定口座(源泉徴収あり)」で口座開設されている人は、利益から税金が自動的に引かれた金額が入金されています。
実はこの税金、たった一つの取引で税金の一部を取り戻せるかもしれないという事をご存知でしたか??
「損出し」ってなに?
株式投資の節税方法の一つである「損出し」。名前は聞いた事があるという方もいらっしゃると思いますが、私は一年前までその言葉の意味を知りませんでした。
ここでは「損出し」の仕組み、実際にどれだけの税金を取り戻す事ができるのか、損出しのやり方を一つずつ解説します。
損出しの仕組み
損出しとは簡単に説明すると、“保有している含み損銘柄を売却し、その年に確定した利益(譲渡益・配当金)とを相殺させ、払い過ぎた税金を戻す事” です。
よくある質問
損出しの条件
全ての人が損出しを出来るわけでなく、以下の項目に当てはまっている人が条件です。
- 「特定口座(源泉徴収あり)」の口座の方
- 譲渡益・配当金でその年の利益が確定している
- 保有株の中に含み損の銘柄がある
※今回紹介する「損出し」はあくまで同一証券口座内でしか行う事ができません。
確定申告を行い複数証券口座の利益と損失を相殺する「損益通算」という方法もあります。
実際にどれだけの節税になるの?
損出しの仕組みが分かったところで、例を基に実際どれだけの節税ができるのかを説明します。
今年確定している利益50万円 - 税金10万円 = 利益40万円
(そこに20万円含み損をかかえている銘柄を売却すると・・・)
↓
今年確定している利益30万円 - 税金6万円 = 利益24万円
今回の例では含み損をかかえている銘柄を売却するだけで4万円の節税をする事ができました!
これだけで支払いすぎていた税金が証券口座に還付される事になります。
損出しの注意点
買い戻しは翌営業日に行う
損出しは含み損銘柄を売却して買い戻すと説明しましたが、売却・購入を同一営業日に行う事はやめましょう。
以前から持っていた取得単価と再度購入した取得単価が平均化され、含み損額の半分しか損失として確定されません。
2,000円で買った株を100株保有
その株を1,000円で売却、そして同じ日に同額の1,000円で買い戻しをしても
平均化され1,500円という取得単価になってしまいます。
株の保有期間がリセットされる
これは主に株主優待の長期保有制度に関わる注意点です。
株主優待の中では「保有期間〇年以上」という条件付きで、優待の権利を与えている銘柄が少なくありません。
損出しをする銘柄は、長期優待制度の事も含めて選びましょう。
長期保有の事を忘れて売っちゃう方が以外といるみたいです(涙)
株の売却は権利付き最終日までに行う
税金はその年の取引で計算される為、「損出し」は遅くても権利付き最終日に取引を完了させる事が絶対条件です。
今年は2021年12月28日(火)が損出しをする最終日になります。
2021年12月カレンダー
「損出し」のクロス取引方法
「損出し」の為に売却をして、翌日買い戻しを行うつもりが株価が急騰。株価が上がった分の利益を逃してしまった、という経験を私はした事があります。
信用取引を使用したクロス取引であれば、取得単価を変えずに損出しする事ができます。その方法をここでは説明します。
- 現物保有している含み損銘柄を「寄付」「成行」で売り注文(株式市場が開く前までに注文)
- 同時に同じ銘柄を「寄付」「成行」で信用買い注文(株式市場が開く前までに注文)
- 翌営業日に②で信用買いした分を現引きして完了
さいごに
今回は株式投資における節税方法の一つ「損出し」について説明をしました。
「損出し」以外にも確定申告で行う「損益通算」「繰越損失」など節税対策は他にもあるので、また記事を書く予定です。
“税金” という言葉を見ただけで避けたい気持ちは山々ですが、後で後悔しないよう少し勉強をして、無駄な税金を払いすぎないように心掛けていただければと思います。
最後まで見ていただいてありがとうございました!!
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