株を保有している企業がMBOを行うと発表!やったー!!
MBO?それってどういう事??
え?? えーっと、、、とりあえず株価が上がるって事だよ!!!
投資家なら聞いた事があるかもしれない「TOB」と「MBO」という単語。
どちらも「M&A(企業の合併や買収)」の手法のひとつには違いないですが、似ているようで少し違う「TOB」と「MBO」について解説していきます。
- 「TOB」と「MBO」の違いについて知りたい
- 保有株がTOB(MBO)の対象になった場合どうすればいいの?
- TOBを実施した銘柄の株価の動きが知りたい
TOBとMBOについて
TOBとは?
TOBとは「Take Over Bit」の略であり、日本語では「株式公開買付」などと訳されます。
対象企業の発行済株式を、証券取引所を通さず買い付けをする事を指します。「期間」「買い付け価格」をインターネットや新聞で公開して買い付けを行う為「株式公開買付」と言われています。
短期間で大量の株式を取得する事ができる為、企業買収では良く利用される手法です。
しかしTOBにも、買収される企業がTOBを同意している「友好的TOB」と、買収される企業が同意していないにもかかわらずTOBを実施する「敵対的TOB」の2種類があります。
敵対的TOBだと最近の例が大戸屋とコロワイドになります。
MBOとは?
MBOとは「Management BuyOut」の略であり、日本語では「経営陣買収」などと訳されています。
自社の経営陣が、証券取引所を通して現在の株主から株式を買い取り、経営権を取得する手法です。
自社の業績が悪化している時、経営の立て直しを目的でMBOを実施します。経営陣が株を持つ事で、長期的な目線で方向性や戦略を決める事ができ、経営陣主導で再編を行う事ができます。
TOBのメリットとデメリット
【 メリット】
- 証券取引所を通さない事で、短期間で多くの株式を取得できる
- 株式数に上限・下限を設定する事ができ、欲しい株数を的確に取得する事ができる
【 デメリット】
- 新株発行など買収防衛策を取られ、買い付けが失敗するケースがある
MBOのメリットとデメリット
【 メリット】
- 経営陣に経営権が集中する為、経営方針等の意思決定のスピードアップ化が図れる
- 会社組織に変更が無い為、人材を含めた経営資源の引継ぎがされる
【 デメリット】
- 上場廃止(知名度のダウン・資金調達の手段が限られる)
- 既存株主と対立の可能性がある(安く買いたい買付側と高く売りたい株主との意思かい離)
MBOが不成立するケースは少ないですが、過去には株の買付価格が適切でないとして、訴訟(裁判)にまで発展したケースがありました。
保有株がTOB(MBO)の対象になった場合
では自身が保有する株がTOB(MBO)の対象となった場合、保有株はどうなるのか?どのように対応すれば株主はお得に株を売却する事ができるのか説明します。
ちなみに買付価格は、TOBを行う側が株式を集めやすくする為、前日終値の30%~40%のプレミアムを上乗せして発表されるケースがほとんどです。
株を売却する方法は3つあります。
❶ 公開買付代理人の証券会社で売却
❷ 通常の市場で売却
❸ 保有し続け強制取得されるまで待つ
❶ 公開買付代理人の証券会社で売却
一つ目は指定の証券会社で公開買付に応募する方法です。
この方法であれば証券会社に売買手数料を払う事なく確実に買付価格で株を売却する事ができます。しかし指定の証券会社に口座を持っていない場合は、口座を開きその証券会社へ移管する手間が発生するので注意が必要です。
移管作業ってとても手間がかかるイメージ・・・
そんな方は次の方法で株を売却しましょう!
❷ 通常の市場で売却
必ずTOBの手続きを行う必要はなく、期間内であれば通常使っている証券会社を通して市場で売ってしまう事も一つの手です。
売却価格は買付価格より低くなる可能性があるかもしれませんが、手間や移管手数料を考えるとこちらの方が楽で手元に早くキャッシュが戻ってきます。通常通り売買手数料はかかります。
TOBが公表されると株価が急騰し、買付価格付近まで株価が上がる(サヤ寄せ)ので、なるべく買付価格に近い価格で売却したいですね!
❸ 保有し続け強制取得されるまで待つ
株を売却せずに強制取得(スクイーズアウト)されるケースもあります。
強制取得されると買付価格で売却する事になりますが、企業側が全てのTOBの手続きが終わってから、キャッシュが交付される為、それまでの間は資金が拘束されるデメリットがあります。
このケースは私も経験が無いのでどれだけの期間拘束されるか確かではありませんが、数ヶ月~長い場合で1年と言われています。
オンリー(3376)がMBOを実施した時の話
最後に私の持ち株がMBOをした時の株価の動きと売却までの状況を書きました。
2021年8月18日、ビジネススーツ・シャツ・ネクタイを主に販売する会社「オンリー(3376)」がMBO(経営陣買収)を行うとIRで発表。
理由としては、「新型コロナウイルス」「スーツを着用する年齢層の人口減」「ECサイト・フリマアプリ普及による実店舗の利用減」などによる売上減少によって、長期的な目線でビジネスモデルを根底から見直す必要がある為としています。
MBO発表後の株価の推移
8月18日の終値は565円。MBOを発表した翌日の8月19日、株価は買付価格の765円に向けて上がっていきストップ高になりました。
MBOを発表して2日目。この日も買付価格には届かず2日連続でストップ高。
買付価格に上がってからは、9月10日現在まで763円~765円を行ったり来たりしています。(一日の値動き幅が少なくローソク足が線になってる…)
結局私は買付価格付近で、通常の市場で売却。何事もなければ買付期間終了まで同じような株価で推移していきます。
株価が絶対このような値動きにいなるとは言えませんが、参考の一つにしていただければ嬉しいです!
以上がTOB(MBO)についての説明でした!
最後までご覧いただきありがとうございました♪
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